2010年02月24日

道具

道具



時間ができたの少しばかり

道具の手入れをした。

といっても、錆を落として磨いたりの程度である。

最近、主に使っているのが、

右側の2本である。

右から2番目の鏝で漆喰を塗り、

右端の鏝で、仕上げの撫で塗りをする。

1本で全てを使いとおす職人も多いが、

瓦屋根の場合は2本。

仕上げの撫で塗りをあんまり力をかけずに

鏝の重みで滑らかにしたいためである。

だから右端の鏝は右から2番目より

小さいが厚くて重い。


瓦屋根達が使うこの鏝は

いまでは極端に少なくなった、

いわゆる「かんじゃーやー」(鍛冶屋)への特注で

一般の金物屋では手にはいらない。

右の2本は石垣島製である。

左から2番目は、やんばる製。

今は使っていないが

一番左が・・・・

不明。

なぜかというと、

瓦屋根がチチから譲られたもので、

そのチチもとある先輩から譲り受けたものだという。

つくられて恐らく60年前後は経つと思われる。

一番左の1本と

それから右3本とは

実は作りに大きな違いがある。

右3本は、鏝面から飛び出た

取っ手になる柄の部分が溶接であるのに対して

一番左の鏝は溶接ではない。

今でもこのような作りはできないでもないが時間がかかるのだという。

しかも、この鏝では作られて60年でいまではすりへって、

形が変わっているが

そのとなりの鏝は使用して7年しか経っていないのに

60年ものに近いほどの磨り減りようなのである。

おまけに、今使用中の右2本も実は

使ってそんなに時間はたっていないのに磨り減り始めている。

いかに昔のかんじゃーやーがしっかりした道具を

作っていたかが窺い知れる。

まあ、材料の問題があるかもしれないので、

いまの材料をとりまく現状にも問題があるのかもしれない。

満足のいく道具ってなかなか手に入らないものである。











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Posted by 瓦屋根 at 14:43│Comments(2)仕事の余白
この記事へのコメント
道具は大切です。
その善し悪しで、製品の品質が決まってしまうことさえあると思います。
それにしても、昔の職人さんの優れた技は感動ものですね!
by 流れ星
Posted by ShootingStarShootingStar at 2010年02月26日 23:49
☆流れ星さん、返事遅れてすみません^^

>昔の職人さんの優れた技は感動ものですね!

同感です^^
Posted by 瓦屋根瓦屋根 at 2010年02月28日 17:00
 
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