2008年09月04日
こわ~い話

安次嶺のムラジーサー
「マジムン退散!」
本島南部在住の若者男女4人が、本島一周ドライブをしたときの話である。
本島南端から国頭の北端までの長さがたしか120kmぐらいだから、
単純に往復で240キロ以上は走ることになる。
経験したことのあるひとなら実際は悠に300キロは走ることはわかるであろう。
沖縄では結構なドライブ距離である。
若者男女4人は、明、隆、順子、令子、ということにしよう。
運転手は明と隆が交互に担当した。
昼過ぎに南部を出たので、夕暮れ前に北部の最北端近くに着いた。
そこで腹ごなしに、沖縄そばを4人で食べた。
かえり道の国頭の東海岸はすでに暗く、車どおりも少ない。
明が家に着くまで、「怖い話」をしようと言い出した。
それをきいた隆は、乗り気になり「うちに着いた途端何かがおこったりして」、
などといったものだから、順子と令子は「きゃー!」と悲鳴をあげた。
しかしふたりも悲鳴に似合わず乗り気である。
「怖い話」を始めた若者達の車は、国頭の東海岸沿いに南下し、宜野座、うるま、中城を
とおり西原、与那原へといたり、彼らのすむ地域へと近づいていった。
はなしは、逆立ち幽霊、ハンドバック幽霊、幽霊ホテル、はたまたこっくりさんにいたるまで、
あらゆるバラエティーの「怖い話」が出てきた。
家に近づくに連れて、なぜか運転手の明の表情がこわばってきた。
隆が「明の番だよ、明の話しが終わる頃には、なにかおこったりして・・・」
順子と令子はもちろん悲鳴を上げる。
明の顔がますますけわしくなった。
明は「これから話すことはなにがあってもびっくりしないでよ」
と、念をおすように前置きした。
三人はだまってうなずいた。
明は「あの、さっきのそば屋なんだけど・・・」
三人はつばをのみこんだ。
「・・・そこに、サイフ忘れた・・・」
その瞬間、車内の空気が凍りついた。
Posted by 瓦屋根 at 02:37│Comments(0)
│仕事の余白