2006年09月10日

水面を歩く

島の北側の海岸近くに、僧侶が住んでいたといわれる鍾乳洞窟がある。

以前は整備されていなかったので物好きな他は中まではいれなかったのだが、いまでは洞窟の奥まで階段が設置され、おまけにライトアップまでされて、なかなかの観光スポットある。

沖縄本島南部の玉泉洞より規模は小さいのだが、入場料なんてものはいらない。

中に入ると、クーラーが利いたようにひんやりしている。

正面に仏像が安置され、その奥の空間には僧侶の遺骨が入った厨子がめのようなものがみえる。

仏像の手前で階段は二手に別れて降りている。

長い年月をかけてできあがった洞窟は、カーテンのひだのような鍾乳石、動物の牙がはえたような鍾乳石など神秘的な雰囲気を漂わせている。
ところで、ここに住んでいたといわれる僧侶は、那覇である賭け事に破れて、この島に流され、一生を終えたという。

この賭け事というのが、不思議な話で、僧侶同士で、仏の功徳があれば水面を下駄履きであるけるということで問答となり、しまいにはできなければ打ち首という賭け事になったという。

那覇の奥武山あたりで勝負は行われたが、僧侶が呪文を唱えほんとに水面を歩き始めたので、もう一方が呪文をやぶらんと法術を唱えたため、僧侶は最後の一足を海面に突っ込んで濡らしてしまった。

それで賭けにまけて打ち首になるところであったが、そこまで歩いたことは大したものであるということで、粟国島に流されることになったという。

この僧侶は雲水和尚といい、読経三昧で暮らした洞窟は洞寺(てら)と呼ばれている。

和尚は近くの子供たちや青年たちと遊んだり話を聞かせていたという。
いまでも和尚さんと仲のよかった人々の子孫が毎年旧の九月と正月には拝みに来るという。

それにしても、水面を歩く賭け事とは、なんとも不思議だけど無茶な話だ。


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Posted by 瓦屋根 at 15:08│Comments(0)粟国島
 
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