2006年10月03日

「屋号」本題

だあ?なんだったっけ?

そうそう、屋号についてである。

あたりまえの話だが屋号は沖縄独特のものではない。

ここでは日本の古くからの慣習がまだ色濃く残っているのである。

那覇などの都会ではあまり聞かれなくなったが、那覇から少し離れた地域では、

世間話をする際まだまだ屋号が普通に使われている。

「どこぞのだれそれ」を、たとえば「ウフヤーの次男ぬー(大屋の次男)」というのである。


「ウフヤー(大屋)」と呼ばれる屋号ははたいていの場合、その集落のむーとぅやー(宗家)である。

また「ヌンドゥンチ」は、代々その集落のノロを出す家柄の屋号である。


分家であれば本家の屋号に「ミー(新)」や「グァー(小)」がついたりする。

たとえば、「ミー〇〇」、「〇〇グァ-」などである。


家の位置関係や方角でつけられるものもある。

目当てとなる屋号に「クシ(後)」「ハタ(端)」「アガリ(東)」「イリ(西)」などがあてられる。

「クシヌ〇〇」「アガリヌ〇〇」などである。


職業からつけられるものもある「サカヤ(酒屋)」とか「ウミンチュヤー」などがそうらしい。


「屋号」本題
「カンゼーヤ-」


ところで私が粟国島でお世話になったかーら屋ーの屋号は、「カンゼーヤー」と呼ばれていた。

屋号について少し詳しい人がいたなら、ピンと来たかもしれない。

各集落には古くから必ずといっていいほど「鍛冶屋」がいるのだが、

その屋号はたいてい「カンジャーヤー」と呼ばれている。

だから「カンゼーヤー」ときいて、「カンジャーヤー」がなまったものだと思った方もいるだろう。

実際私もそう思った。

ところが、違うのである。

ここにはちゃんと「カンジャーヤー」が別に存在するのである。

だから、「カンゼーヤー」が「鍛冶屋」から名づけられたということではないらしいのである。

家主さんたちは自分たちの屋号の由来はわからないといっていた。

周囲のしまんちゅもしらないらしい。

勝手な想像だが「鍛冶」ではなくて、「金細工」=「カンゼーク」がなまったものだろうか?

だったら「カンゼークヤー」になるだろうし・・・

どなたかおわかりの方、ヒントになることでもありましたら知らせていただけませんか?


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Posted by 瓦屋根 at 09:32│Comments(0)文化
 
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