漆喰瓦屋根のある風景

古い話である。

吉幾三がかつてラジオの深夜番組のDJを担当していたときに聞いた、

本人の体験談である。

吉幾三が田舎から東京に出たばかりで、

喫茶店でアルバイトをしたときである。

新入りなのにいきなりひとりで店を任されたときがあった。

その時間帯に、運悪くひとりのお客さんが入ってきた。

お客さんにメニューを手渡し、お客はしばらく注文を迷っていたようだが、

「ウインナーコーヒー」を頼んできた。

さて、吉幾三は困った。

「ウインナーコーヒー」がどういうコーヒーか知らないのである。

悩んだあげく、冷蔵庫にある「ウインナー」をフライパンで焼き、

沸かしたコーヒーに浮かべて、出したというのである。

ここまででも、かなり笑える話である。

ところが、さらにおかしなことに、

出されたお客さんは満足げにこの「ウインナーコーヒー」を

飲んでいたというのである。

この項続く・・・・（絶品？そば！がまだ）