2006年10月06日
ほんものとニセモノ
漆喰瓦屋根は、現実的な沖縄の風景から、確実に失われつつある。
いわゆる観光スポットなどに移築された漆喰瓦屋根木造住宅は、
それ自体はほんとにすばらしいものであるが、いかんせん生活感がない。
それでは、現代を生きる建築物としては、あまり説得力がない。
博物館の収蔵品とかわらなくなる。
べつにそれはそれで大変価値のあるものであるが、
前に述べた、柳宗悦のいう「琉球の富」とはかけ離れたものとなってしまう。
捜し求めなくても、生活とともにそこにある風景・・・ それが大事だと思うのだが。
地元であるすこしは名の知れた有名なミュージシャンが、
ロケをやっている現場に遭遇したことがある。
赤瓦やーをバックに屋敷の後ろのスージミチで、撮影している。
本人達は沖縄好き=沖縄通だと自負していると思う。
タダ、そこをチラととおりすぎた、瓦屋根は内心苦笑してしまった。
赤瓦にペンキ塗装をした住宅だったのである。
もうこれでは、瓦は死んでしまっています。
価値ある焼き物=手作り赤瓦(長い時間たつと古びてくる)、に
ペンキ(見た目のかっこだけ=でもみためきれい)
塗りますか?
こんなもんでしょうね。
ホンモノとにせもの、って。
・・・通を自負しているヒトでも意外とわからない。
Posted by 瓦屋根 at 00:03│Comments(0)
│漆喰瓦屋根のある風景