2006年09月26日

伝統美、と思いたい。

この間の仕事の話の続きです。

破風板や鼻板が落ちていたり腐って瓦が落ちている以外に、瓦屋根面(ヒラ)の様子は写真のとおり。

伝統美、と思いたい。


塗り替えせず長い間放っておいたので、男瓦の繋ぎ目の節の漆喰がとれている部分がかなりある。

伝統美、と思いたい。


ひどいところは、瓦を置き換え節の間を詰めた。

漆喰のはがれた部分には、補強の意味でセメントを多めに入れた地ムチ(下塗り用)を塗る。

通常この作業は全体でたいした量ではない。

しかし今回は、弱った部分の漆喰をはぎ落し、地ムチ(下地)を塗る作業で4日かかった。

地ムチで瓦同士の繋ぎを強くし、本作業の上ムチ(上塗り仕上げ用)塗りで仕上げる。

男瓦と漆喰の縦の境目(ハーグチ)をできるだけ直線にするのが職人の腕の見せ所である。

瓦が恐らく戦前の手作りでなので、ごつごつしてなかなかてごわかった。

伝統美、と思いたい。



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