なくなってからでは守れない・・・
粟国島から帰ってぜひ一度は行きたいところがあった。
海へ行くのは好きだが、釣りはあまり好きではない。
幼い頃、父親に写真のところへ、ときどき歩いて連れていかれた。
大潮をねらわないとそこにはいけない。
そこは、かつてアジケー(しゃこ貝)、みーばい、など海の幸が豊富であった。
もちろんさんご礁も立派であった。
天然のモズクは、その場で塩水ですすいでちゅるちゅると食えた。
釣りがなぜあまり好きではないかというと、たどり着くにも幼い子供にはしんどいしのに、
そこで竿の仕掛けを根がかりさせると、父親は勝手にきれて「ばか、あほう」と怒鳴り散らすのである。
それが、一種のトラウマになっているのであろう。
ここへきたのは、それ以来、うん十年ぶりである。
期待はしていなかったのだが、いちおうシャコガイがとれるように、はつりももってきた。
車をおりて、海岸から潮のひいた沖へと歩き始める。
えんえんと続く、サンゴの残骸。
ときおり、なまこ、クモヒトデなどはみかける。
しかし、なんということだ。
豊かな海とは冥王星より程遠い、不毛な海。
何キロ沖に歩いたのだろうか、リーフの外側近くになって、
やっとこさちらほらとサンゴや、コバルトスズメが見え出した。
これでは北谷の海岸のほうがはるかにきれいである。
ひき返しながら、素もぐりダイバー故吉嶺全二さんのことを思い出した。
かなり前から、ひとりで沖縄の海を守ろうと活動したかたである。
二十年以上もまえに、吉嶺さんが時系列で撮ったサンゴの定点観測の写真展を、
久茂地公民館で見たことがある。
あのときのショックを思い出したのである。
今回は悲しみを通りすぎて、幼い頃に罵倒された阿呆状態になっていた。
吉嶺さんの業績があるサイトみつけました。
参考に見てください。
素晴らしい写真です。
http://coral.h2o.co.jp/zenzi.html
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