かめかめ攻撃
漆喰瓦屋根のある風景(具志頭村)
よく、沖縄のおばあが「
かめー!かめー!」と言って、大量な食事を勧めることを「
かめかめ攻撃」、なんて表現されることがあります。でもそういうことは沖縄のおばあだけの専売特許ではなくて、田舎であろうが都会であろうがおもてなしのこころをもったおじいやおばさん、おじさんでもやっていることです。
そして
日本全国の田舎のおばあだって「かめー!かめー!」とは言わなくても「
攻撃」はやっていると思います。
そうそう、「かめー」とは、「噛めー」ではなくて、「食べなさい」という意味です。うちなー方言知らない方が勘違いしないように念のため。本土から沖縄に婿にきたひとが嫁さんのおばあに「かめー!かめー!」といわれて、
何度もしっかり噛みながら食事を食べていたという笑い話があるそうですから。
こういう仕事をしていると必ずといっていいほど家主もしくは家人の方が、十時ゆくい、三時ゆくいを勧めに屋根の上にいる私に声をかけてきます。ちなみに屋根の上では
バイオリンは弾きません・・・(;汗)
「
ゆくい」とはもちろん
休憩のことです。
たいていは、十時ゆくいにはお茶・コーヒーにお菓子、三時ゆくいには茶菓子プラス
そうめんちゃんぷるーとか
てんぷらが出てきます。茶菓子といっても、飴玉とかのひとくちサイズの軽いやつだけではなく、さーたーあんだぎー、たんなふぁくるーとかドーナツ、菓子パンとかの結構重たいやつです。
田舎になるとさらに大変なことになります。昼食はかわらやーの軒下の縁側で持参の弁当を食べるのですが、なんと味噌汁やソーメン汁、ソーキ汁、てびち汁にゴーヤーチャンプルー、とうふチャンプルーなどが
日替わりで出てくるのです。そしてさらに夕方の仕事上がりには、ひきとめられて
刺身+ご飯が登場するのです。
三時ゆくいに出された、てんぷらやさーたーあんだぎーがまだ胃のなかを
漂流しているのですが、私は勧められるとなんでもありがたく頂戴する性格上ついついしっかりとたいらげてしまいます。
瓦屋根の仕事はけっこう重労働なんですが、ですからこういう現場が続くとなんと太ってしまうんですよ。
8月にやった現場は貸家だったので家主さんや住人さんからほとんど接待受けないですんだんですが、そのときは3Kgほどやせたんですよ。それほどの重労働にもかかわらず「攻撃」を毎日受けるとさすがに太ってしまう。
当然ですね。
いちどこういう方もいました。
朝は8時前後に現場について仕事に取り掛かるのですが、そこの家主さんの奥さんは到着そうそう「
朝早くから大変でしょう」とさっそく茶菓子を勧めるのです。
いやはや参りました。
さすがに、朝、十時、昼、三時、夕方の5点セットで「攻撃」を受けたことはまだありません。しかし朝を除く4点セットはまだまだありますね。
断っておきますが「
迷惑」ではありません。「
うれしい悲鳴」です。
そんなおもてなしのこころをもったうちなーんちゅの方々、ありがとうございます。
そしてごちそうさまでした。
漆喰塗り立て
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