おばぁをさがして

瓦屋根

2009年09月23日 23:37



浜比嘉島のカーラヤ-(情緒があるね~)


その男の子がみーちなやーの頃に

下に妹が生まれた。

妹の育児で大変だろうと、

K島に住む父方の祖母がその男の子を

引き取ってしばらくの間育てることになった。

男の子はK島で1年ばかり祖母に育てられた。

1年ばかり育てられた後、

妹の育児も落ち着いただろうと、

本島の両親の元へ戻す事になった。

そんな経緯はつゆ知らず、

男の子は、両親の事はほとんど忘れ、

すっかり、おばぁっこになっていた。

男の子を本島の両親の住む実家へ連れていったおばぁは、

適当に男の子をなだめすかせ、合間をみて、

こっそりと裏口から屋敷裏に抜け出し、

そのままK島へ帰っていった。

男の子は、しばらくしておばぁがいなくなっているのに気づいた。

「おばぁよぉ~! おばぁよぉ~!」

と、泣きながら必死におばぁを探していたという。

男の子が実家へ戻されて、しばらくして、おばぁは亡くなった。


男の子はそのまま元気に成長したが、

幼なすぎたのか、そんな出来事はすっかり忘れてしまっていた。

薄情の男である・・・

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