恥ずかしがり屋の漆喰

瓦屋根

2006年02月11日 00:42

本土の漆喰はおもに壁に使われるので、沖縄の屋根の漆喰ほど風雨にさらされません。

そのため、かなりの期間(数年~数十年)は石灰の持つやわらかな「真っ白」さが維持されます。

ところが、沖縄は違います。

漆喰を使って瓦を葺くのは、台風の猛烈な風雨をしのぐのが当初の目的です。

ですから、漆喰は水にさらされてしまい、塗り替えて数ヶ月後には黒く変色が始まります。

方言では「くるべー」といいますが、まあ、コケのようなものです。

最近の住宅の、ぴかぴかずき、厚化粧好きの風潮には、漆喰瓦屋根の侘びた雰囲気は理解されなくなりました。

仕事柄の個人的な見方に過ぎませんが、漆喰が風化劣化しない限り、
わらの黄色→白色→灰色→黒色
へと変化していく漆喰に、季節の変化と年月の経過を重ねて感じるものだと、思っております。

しかし、急速なコンクリート住宅の普及は、周辺の緑地や屋敷林を衰退させ、
漆喰瓦屋根の黒っぽいわびた雰囲気はそぐわなくなり、
漆喰瓦屋根は都市はもとより田舎からも追いやられつつあります。

それでも、漆喰は漆喰なのですが、目立つような主張はしないのです。

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