漆喰の不思議

瓦屋根

2006年01月30日 23:17



漆喰は、石灰が主成分ですので、基本的な色は白色です。

でも、沖縄の漆喰は稲わらが混ぜ込まれているため、その色素が染み出して少し黄色っぽいです。

塗り立ての漆喰はやや黄色の強いクリーム色をしていますが時間の経過とともに徐々に

稲わらの黄色は抑えられ、石灰の白色に変わり、数ヶ月後には白色に落ち着きます。

不思議なことにこの塗り立ての黄色は、季節や天気、温度や湿度によって微妙に色合いが

異なります。また、骨材として混ぜ合わせる砂や、少量のセメントによっても変わってきます。

なんと製造するメーカーごと、また同じメーカーでも袋詰した袋ごとにも微妙に色合いが異なるのです。

この色合いの違いは恐らくわらからくるのしょうが、

ただそれだけともいいきれないのが、漆喰の不思議なところです。

メーカーが漆喰を製造するときの条件(わらの状態、季節、天候、寝かせる時間等)、

そして職人が調合して塗りつけるときの条件が複雑に絡み合うことによって、

微妙な色合いの違いを見せてくれるのです。

自然のなせるわざなのですが、漆喰の強度には影響はありません。

家主さんによっては、微妙な色の違いを気にする方もいらっしゃいますが、

最終的には白色に落ち着くので、私は「季節の変化とともに自然な色の変化を味わいませんか?」といっています。

写真では漆喰の柔らかな質感や、微妙な色合いをなかなか伝えきれませんが、

少しでも今の文章で漆喰の色の不思議がわかっていただければうれしいです。

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