漆喰シーサー

瓦屋根

2005年12月10日 01:43

私が今まで見かけたなかで最高のできばえだと思う漆喰シーサー。(那覇市)

なんとビー玉の目が入っていました。
コケを落さずお色直しもしていないほうの写真がかえって威厳と風格があるので冒頭に登場してもらいました。

 さて、前の記事に漆喰シーサーを造る小学生の話をちょこっとしましたので、瓦屋根のシーサーの話をしましょう。
瓦屋根にのっかってるシーサーは焼物などの既製品ではない場合は、屋根を葺いた職人が家主に対して御礼の気持ちを込めて無償で造ったそうです。作成は半日から一日、程度によっては2日かかったようです。

 もちろん材料は、余った瓦と漆喰です。まあ本業の漆喰塗りとは違う職人の腕が試されるようなものです。最近は瓦の葺き替えをやっても屋根にのせるのは陶工がつくった焼物シーサーが使用されたり、別に作家が作ったものを使用する場合がほとんどで、このような習慣はもうなくなりました。
 
 私は塗り替えの際に漆喰シーサーがある場合は、漆喰で補修をしたあとに水性塗料でお色直しをします。新規で漆喰シーサーを依頼されることはないです。趣味で作成はいいとしても、最近は漆喰シーサーの作家が出てきてるようなので彼らに任せた方がいいと考えていますが、反面やっぱりいつかは作ってみたい気持ちもあります。
 
 以前に地域をお仕事発掘(営業)で回り歩く時に、個性的な漆喰シーサーを多くみかけ、これらはぜひ写真に記録しておいたほうがよいと思ったことがありました。機会があって県立図書館に行った際に郷土資料コーナーでなんと20年以上も前に県内在住のあるプロカメラマンがすでに写真集を出しているのを見つけました。古い瓦屋根民家もきちんと撮られていて、記録としてもいい写真集でした。タイトル、出版社名はメモっておりませんでしたが、時間があれば確認したいです。
 先に漆喰シーサーは家主に対して職人が御礼をこめて造る、といいました。家の方角立地条件や風水等を考慮して造っているようですので、みんな個性的でその家のためだけに造られた独自のシーサーであるといえます。
 姿勢が這っていたり、這ってお尻を突き出したり、「猫」や「犬」が横を向いておすまししているような姿勢であったりユニークでほんとにすべて個性的ですが、たいていは大きくくちを開けています。それがまじむん(魔物)に対して威嚇するようなイメージを職人達は持っていたのでしょうか。
 
 最近はこのシーサーを盗むとんでもないやからがいるようです。通りすがりの瓦屋根民家にシーサーの台座だけが残されているので、家主に理由を聞くといつの間にかなくなっていたという返事が返ってくるときがあります。
 まさかシーサーが家出するわけではありません。いわゆるマニアがコレクションとして持ち去って(はっきり言って盗み!)いくようなのです。
 「はっさ!ぬするーよ!ばちあたるよ~!」っていいたいですね。
あんまり写真は残しておらず少ないですが、あるものをアップしてみます。


 

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