いまの現場
こんなに長く瓦葺きばかりをやったのは初めてだ。
大棟ができあがったので現時点では
この写真よりもう少し仕上がりは進んでいるが、
2月26日にアップした、はだかのスラブ屋根と比較すると、
違いは明白であるのはわかっていただけると思う。
残念なのは、瓦葺き前のデジカメ画像ががないのだ^^
写メじゃ、しゃーね~・・・
本来なら、瓦を葺いている実際の画像をアップすべきだと思う。
割付されたスラブの屋根面に石粉(葺き土)を敷き、
その上に女瓦を一直線に上に葺いていく。
そして、二列になった女瓦の間に石粉を盛っていき、
またその上に一直線に男瓦を葺いていくのである。
葺いている当事者が上述した工程を写真に撮ることができないので、
結局は葺いたあとしか写真に残らない。
だからいまの素人ではどういうふうに
瓦屋根ができあがっていくのか、
わかりにくいだろう。
4、50年前までは、
各地域で瓦葺きをまじかに普通に見ることができたので、
年配のひとなら素人でも瓦葺きの工程を知っている人が
意外と多い。
いまではそんな現場はめっきり少なくなった。
この写真ではわからないかもしれないが、
ここは職人泣かせの現場なのである。
男瓦は大きさが不均一にもかかわらず、
男瓦の節(目地)を横一直線になるように要求される。
女瓦も不均一なのに、
重ねた部分に隙間ができると、注意される。
はたやスラブの屋根面がひどいでこぼこにもかかわらず、
工夫して葺いた瓦屋根の屋根面がでこぼこだと注意される。
上の写真をみたひとは、でこぼことか、
一直線になってるとか、なってないとかわかりますか?
そしてきになりますか?
ましてや、屋根下からはなれてみると、
全く気づかないものであるのにかかわらず、
とやかくいわれる。
大変な労力がかかっているのである。
安全性の問題なら対応しなければならないが、
見た目、それも近視眼的な視点でもって、
あーでもない、こーでもないと、
職人を苦しめるのは、やめてもらいたいものだ。
きょうは怒った瓦屋根で失礼しました。
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